雀の騒がし姿がもう一度見たい
毎朝 鳥の鳴き声 で起こされ
餌に群がる 沢山の雀
この勢いなら 手に乗るのも可能かな
それほど 来てくれた
鳥の糞が すごくて困っていたのも
あるけど
来なくなるとそれはそれで寂しい
父はどんな手を使って
鳥達の心をつかんだのか
私達が受け継ごうって思っていたのに
当の鳥達が来てくれないのだから
お世話する事もできない
カムバック 鳥さんたち🐦
守っていく沢山の木々 主が変わっても元気で育ってね
父親は華やかな木々よりも 素朴な植物が
好きだった コツコツと一つずつ
植えて育ててきてのが分かる
毎年 秋に咲く 高山植物 しゃじんの花
少し前に 一つ盆栽を枯らしてしまった
そう 話していた父を思い出した。
それを絶やさず 受け継ぐのは
一筋縄ではいかない
来年も咲いてくれると良いのだけど
夏椿の木は植えたときは
家の屋根を越す高さまで育つなんて
考えて植えたのだろうか?
毎年 秋には葉がすべて落ちる落葉樹
これが一仕事 修行の日々がやってくる
これだけは 父の誤算
落ち葉広いの季節が近づいている
これからが現実 一年を目安にお墓を建てる まで 待っていてね
公園墓地に一区画 買ってあった
その時は一番最初に誰がこの場所に
入るのだろう?
現実味のない話をしていたのが
髄分 遠いむかしに思える
最初に入る人が良いのか
お墓を建てる人が良いのか
この数日 色んなお墓を覗かせてもらった
私たちの公園墓地には高さ制限が
あるので 昔のお墓の形は作れない
お墓には興味もこだわりもないと
思っていた
死んだら無だから
お金をかける事はない
そう思っていたのに 今の心境は
何処から来るのだろう
少しでも 立派なお墓を建てたい
お墓に入っているのはお骨だけ
父が眠ってるとも心では思ってないのに
生きている人の見栄なのか 意地なのか
欲なのか…分からなくなる
波のように悲しみが押し寄せては 引く 繰り返し 立ち上がり日常をもどすには
亡くなる 少し前から胸の痛みを
気にしていた父
複数の病院で見てもらったのに
原因がわからず
ロキソニンを処方されて来るだけだった
薬を飲むと痛みが嘘のように
消えていたので 家族も本人も
もやもやした日々を過ごしていた
むかし 足に重度火傷をした時ですら
弱音を吐かなかった父親が
初めて 原因が分からない事に弱音を
はいた
痛みをとってあげたい その気持ちで
今思えば 馬鹿げているのですが
整形外科に予約を入れ
それでも ダメなときは神頼みだよ
最後の会話がこんなにもつまらない
やり取りで後悔だけが残ってしまった
父の火葬がすみ どれどけ 残っているのか
心配だったけど
どこの骨もびっくりするほど
しっかり残っていた
やっぱり 父は最後までスーパーマンだった。
ヒーロー不在の日常
悲しみ 不安 疲れ 相手の気持ちを
思いやる余裕もなく
傷つき 傷つけあう 家族の姿を
どんな思いで見ているのだろう
明日は納骨 いよいよ この家から父が
居なくなる
前を向くにはまだ 少し時間が必要です
沢山の人とお花に囲まれ
20年前に 大きな病気で倒れた父
その時は 不思議と大丈夫だと
根拠のない自信があったのを
覚えてる
脳梗塞との診断 詳しいことは
分からないけど 医師の話では
この状態で生きているのが不思議だとか
2ヶ月あまりで なんの後遺症もなく
仕事に復帰した父親
どんなに不安を抱えていたのかと思う
スーパーマンのような父親
きっと 自分の最後も最高のタイミング
だろうと今頃 どや顔で
私達を見ているんだろうと思います。
持病こそ あったけど
苦しまず 逝けたのは 凄い
持ってる男の人生だと思った。
一つだけ 死因が不明なのは
父も心残り だってのではないのか
白黒 はっきりしたい性格だったので
それだけが 心配です。
悲しみよりも 感謝の気持ちの方が大きい
父の顔をじっくり見るのは
初めてかもしれない。
一生懸命 働いて 生きた人の顔
何の迷いもない穏やかな表情
家族が 悲しみの中にいても
少しずつ 笑いとプレゼントを
くれる存在
学歴や肩書きにこだわらず
生きた 人生
私たち家族が思うより ずっと
多くの人に慕われた人
父が亡くなる 少し前に 唯一の
私の高価なもの 婚約指輪が壊れた
ダイヤモンドだけがなくなって
指には金具だけ
記念の物と言うこともあり 落ち込んで
不機嫌な私…
本当に大切なものを大事にしろと
父からの最後のメッセージだったのかも
しれない
父が亡くなってから しばらくしてから
ダイヤモンドが見つかった
非日常の始まりは淡々と
人が生まれて 出逢って
家族になり そして
別れる日が来るのは
必ずやってくる。
大体の人は病院で亡くなって
いくのでしょう
父の場合はトイレで
静かに逝ってしまった
自宅で亡くなると 警察の人に
事情聴取 検証はもちろんの事
父の死因を確かめるため
長い時間 父と離れる事に
警察署に迎えに行く準備の
最中 頭のなかは なぜ?
今日 だったのか どんな服を
持って行ったら良いのか
本当に現実なのか?
死亡診断書と父の姿と対面したときに
これは 現実なんだと
思いました。